手記、或いは夢小説

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面白かったなろう小説①「現代社会で乙女ゲームの悪役令嬢をするのはちょっと大変」

 

 本編前にちょっとした雑談。これまでのあらすじ? 的な?

 

 小説投稿サイト『小説家になろう』の小説を読むのは、例えるなら街中やライブハウスなんかで歌ってる無名のミュージシャンを見に行くようなものでしょうか。

 完成されたモノを探すんじゃないような感じ。売れてるJ-POPだったりはそれはそれで聴くし好きだけど、これはこれでこういうのも良いよね、みたいな……正しく伝わるのかな?

 

 まぁそれでも小説なのか何だか良くわかんないものも多いし、そういうのにはあんまり当たりたくない、ある程度までは小説として成り立ってるものが読みたい、そう思う気持ちもあるので(さっきまで言ってたことと矛盾しかけてるな?)、とりあえずの判断基準として書籍化されているものだけを読んでます。

 書籍化してるってことは、最初の数話に続きが読んでみたくなるだけのエネルギーがあるってことですからね。追記で改稿されてることも多いです、多分。

 そもそも、なろう小説の書籍化してる作品だけでも数がかなり多いです。正直びっくりしました。え、こんな出てるの?ってなります。

 なので『書籍化したなろう小説しか読んでない』のではなく、『書籍化したなろう小説すら読み終わってない』が正しいかもしれません。うん、それっぽい理由付けられました、これで正当性を主張いたしましょう。

 

 探し方はわりと適当で、電子書籍アプリで半額セールになってたり新刊一覧で見つけたやつを片っ端からタブにキープして順番に崩してってます。なろう小説は単価やけに高かったり(1冊1300円前後?)、タイトルやけに長い(大体ラノベの5,6倍くらいありそう。いつも一覧の簡易表示内に収まりきってません)の2種類で大体分かります。大変分かりやすい。

 

 そう言った感じでなろう小説を探して、読んで、面白いな〜って思った作品をどう面白いか感想残しておこうとしたけど、Twitterとかに長文書きなぐると邪魔ってなりそうだし、流れちゃって掘り起こしもしづらいだろうし、どうしようかなとずっと放置してました。まぁ残しておくほど熱意持って向き合ってねーしな、ふんっ。みたいなツンな気持ちも少々。

 そんな折に、ふとここを思い出して『ここに色々書いていけばいいんじゃね? ここなら私の好き勝手にしていいし長文ばっちこいだよな? うっわ私ひょっとして天才では?』と気づいたので、私なりに気に入ったなろう小説の感想を書こうと思った次第です。

 飽きるまでやります。飽きたらやめます。

 

 以上あらすじ。

 こっからほんぺ。

 

 

面白かったなろう小説①

現代社会で乙女ゲームの悪役令嬢をするのはちょっと大変」


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出典:株式会社オーバーラップ

公式サイト:https://over-lap.co.jp/narou/865547429/

小説家になろう作品ページ:https://ncode.syosetu.com/n3297eu/

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「現代世界をモチーフにした乙女ゲームの悪役令嬢に転生。けど、現代世界だからこそ悪役令嬢のスローライフにはいろいろと苦労があって、NAISEIするにも日本近代史と現代経済史とグローバル経済が主人公に襲いかかる。頑張れ悪役令嬢!負けるな悪役令嬢!!ちょっと太平洋戦争に負けたり、バブルが崩壊したり、フィナンシャルクライシスが襲いかかるけど、ちゃんとスローライフを送るために主人公とイケメンを放置して歴史改ざんとマネーウォーズに身を投じる悪役令嬢桂華院瑠奈の奮闘記。なお、この物語はすべてフィクションであり、偶然の名前や事件の一致等がありましても実在の人物・団体等とは一切関係ありません。」(当該作品ページあらすじより引用)

 第二次世界大戦で日本が早々に降伏したために連合国の介入度合いが変わり、その結果貴族が残っている日本というゲーム舞台設定。

 主人公(悪役令嬢)の桂華院瑠奈は1990年の生まれで、公爵令嬢。そんな彼女に転生したというのが本作品。

 

 色々となろう小説を読んだ中でどの作品を1番最初に取り扱うか迷いましたが、これが良いだろうと決めました。

 この作品を一言でまとめるなら「これはラノベよりは教科書に近い。」です。

 現代日本が舞台で、貴族という異文化はあれども、それ以外のものは全て現実そっくりそのまま残ってたり、これから起こったりします。

 桂華院瑠奈は、その世界でいわゆる知識チートを用いて財を築いて破滅エンドを回避する、設定としては悪役令嬢モノによくあるタイプです。

 では何が教科書か? ですが、現代の歴史をそのまま踏襲するので、私たちの世界で起こったことがそっくりそのまま起こります。それは、1つ、インターネット社会の普及だったり、1つ、事件だったり、1つ、戦争だったり……。知識チートを用いる主人公・桂華院瑠奈がそれらを利用して華麗に立ち回る様子を読むことで、現代の歴史を裏側を見ながら追体験する事ができるわけです。

 売れている悪役令嬢モノはファンタジーな世界観を構築するものが多い中で、現代社会をテーマに悪役令嬢モノを構築して歴史も現実そのまま……。その時点でこの作品は一点モノです、真似できない個性を獲得しています。

 さらに私がこの作品を特に気に入っている理由、1番最初にしようと思った理由は作者の知識の広さです。

 なろう小説は毎話にあとがきが書けるわけですが、用語の簡易説明や引用した言葉の出典元、扱った題材についてなど、様々な補足説明が毎話にのっています。そしてその量と種類が豊富!

 きっと、知るのが楽しくて色んなことに手を出してるんだろうなと読んでて思わされます。そういう人が知るだけじゃなく、作品を書いてくれているってのが嬉しいですね。

 用語の説明は簡易的なので後できちんと調べたり、引用されている言葉の出典元も調べると面白いですし、登場人物たちが読んでいる本なんかも今度読んでおこうってなっていきます。

 この作品を読んでいると自分の世界がどんどん広がっていくのを実感できる、そんなこの作品を称するのに「教科書」という言葉が1番しっくりくる。そう思いました。

 読むのに時間かかりますが、かける時間だけ知識が増えてく感覚がたまんないですよね。

 そういった歴史などを、可愛いお嬢様を見ながら楽しく学べる。それがこの作品の魅力です。

 

 現在連載話数484話、お暇な時間にぜひ読んでみてください。